こんにちは、
ヘルスケア・アドバイザーの前田 義徳(マエダ ヨシノリ)です。
ワクチンの有効性について、世界各国の公的機関でアップデートがありましたので、2021年8月25日時点での最新版をお届けします。
本記事では、米国FDAやCDCなど各国の公的機関の最新データから見る、ワクチンの有効性を比較しています。
利用可能なデータとレビュー
弊社(アストロサイト社)では、医学誌、大学・研究所のレポートを使用し、利用可能なすべてのデータを確認し、そのエビデンスを本ブログの巻末に【参考文献】として掲載しています。
ワクチンの有効性について
次のポイントをキャプチャしています。
- 1. 疾患を予防するかどうかの視点
- コロナ感染による症状を、起こさないようにするワクチンかどうか。
- ウイルスには感染するが、病気が発症することはないワクチンかどうか。
- 2. 重症化を予防するかどうかの視点
- 入院を必要とする重症化を防ぐワクチンかどうか。
- 3. 感染を予防するかどうかの視点
- 人から人へ、ウイルスの感染を阻止するワクチンかどうか。
- ウイルスに感染せず、病気を発症することはないワクチンかどうか。
変異株について
新型コロナウイルスの変異株を、次のように分類しています。
■新型コロナウイルスの懸念される変異株(VOC)
- D614G → 従来型
- B.1.1.7 → アルファ株(N501Y またはイギリス株)
- B.1.351 → ベータ株(N501Y-E484K または、南アフリカ株)
- P1 → ガンマ株(N501Y-E484K または、ブラジル株)
- B.1.617.2 → デルタ株(L452R または、インド株)
■新型コロナウイルスの懸念される変異株(VOI)
- B.1.427/B.1.429 → イプシロン株(L452R または アメリカ株)
- P.3 → シータ株(N501Y/E484K または フィリピン株)
- B.1.617.1 → カッパ株(L452R/E484Q または インド株)
※)現在、イプシロン株などのVOI変異株については、臨床試験および準観察研究下のため、今回のレポートには含めていません。
有効性の推定値
(カッコ)内の%は、前回7月13日時点の数字です。前回と同じ数値の場合、カッコ内の表記はありません。
変異株の区別は、表記上、次のようにグループ訳して表記しています。
- アルファ株(従来型とアルファ株を意味しています)
- デルタ株(ベータ株、ガンマ株、デルタ株を意味しています)
重症の予防効果 アルファ株 | 感染の予防効果 アルファ株 | 重症の予防効果 デルタ株 | 感染の予防効果 デルタ株 | |
ファイザー/ビオンテック | 92% (91%) | 86% | 90% (81%) | 78% (77%) |
モデルナ | 94% | 89% | 93% (83%) | 80% (79%) |
アストラゼネカ | 85% (74%) | 52% | 83% (53%) | 57% (47%) |
Johnson & Johnson (Janssen) | 86% (72%) | 72% | 85% (64%) | 56% |
Sputnik-V | 92% | 81% | 80% (73%) | 70% (65%) |
Novavax | 89% | 79% | 79% (73%) | 69% (64%) |
CoronaVac | 50% | 44% | 43% (40%) | 38% (35%) |
Sinopharm | 73% | 65% | 63% (47%) | 56% (41%) |
Tianjin CanSino | 66% | 58% | 57% (53%) | 50% (47%) |
Covaxin | 78% | 69% | 68% (62%) | 60% (55%) |
考察ポイント
現在、感染力が強いとされる「デルタ株」におけるワクチン有効性の推定値を見ると、重症予防効果ではモデルナがファイザーより3ポイント優位、感染予防効果では同じくモデルナが2ポイント優位という結果です。
どのワクチンがいいのか? これから初めてワクチンを接種する方は、当ブログの「ワクチン副反応の症状」やその「発症期間」そしてその「対処方法」の記事も併せてご参照ください。
重症の予防効果 アルファ株 | 感染の予防効果 アルファ株 | 重症の予防効果 デルタ株 | 感染の予防効果 デルタ株 | |
ファイザー/ビオンテック | 92% (91%) | 86% | 90% (81%) | 78% (77%) |
モデルナ | 94% | 89% | 93% (83%) | 80% (79%) |
アストラゼネカ | 85% (74%) | 52% | 83% (53%) | 57% (47%) |
まとめ
新型コロナウイルスは常に変異し、新たな脅威となる変異株が誕生してきます。
そのため、ファイザーやモデルナなどの薬品メーカーもデルタ株に対応した新しいワクチンの臨床試験も始めています。
私たちもまた、日々アップデートされる最新データに継続して注意していく必要があります。
※手っ取り早く、無料版(0円)の本を読むという近道
新型コロナウイルスに感染したらどんな初期症状なのか?無症状者の後遺症とは?ワクチンへの対処法など、Q&A形式でわかりやすく解説し1冊にまとめた必読本もあります。
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みんな、どうだったの? エビデンスで答える新型コロナ感染症とワクチン副反応: ワクチン接種前後の必読本
最後までご覧いただきありがとうございます。
新型コロナウイルスは日々、変異し続けており、これからもどのような症状が発症するのか不明です。そのために世界中で多くの研究がされています。
これからも可能な限り、最新データとエビデンスをもとに、わかりやすく解説してご紹介していきたいと思いますので、多少なりとも参考になれば幸いです。
ヘルスケア・アドバイザーの前田 義徳(マエダ ヨシノリ)でした。
【参考文献】
※)以下のサイトには、医療関係者向けなど閲覧制限があるものが含まれています。そのため、状況によってはアクセスできない場合がありますこと予めご了承ください。
Pfizer/BioNTech
www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa2034577
www.thelancet.com/journals/lancet/article/PIIS0140‐6736(21)00448‐7/fulltext
www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa2101765
papers.ssrn.com/sol3/papers.cfm?abstract_id=3790399
www.medrxiv.org/content/10.1101/2021.01.27.21250612v1
Moderna
www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa2035389
Oxford‐AstraZeneca
www.thelancet.com/journals/lancet/article/PIIS0140‐6736(20)32661‐1/fulltext
www.thelancet.com/journals/lancet/article/PIIS0140‐6736(21)00432‐3/fulltext
papers.ssrn.com/sol3/papers.cfm?abstract_id=3779160
Johnson & Johnson
www.fda.gov/media/146218/download
www.fda.gov/media/146217/download
www.fda.gov/media/146219/download
Novavax
ir.novavax.com/static‐files/2f6f14cb‐3205‐4719‐b28c‐1711793b9782
https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa2103055
Sputnik V
www.thelancet.com/journals/lancet/article/PIIS0140‐6736(21)00234‐8/fulltext
CoronaVac
www.nature.com/articles/d41586‐021‐00094‐z
Sinopharm
CanSinoBio
厚生労働省