【お知らせ】
8月18日、待望の新刊がリリースされました!!!
こんにちは、
ヘルスケア・アドバイザーの前田 義徳(マエダ ヨシノリ)です。
本ブログは、複数の大学や研究所などからの査読済み論文や公的機関の最新情報から、私たちの身の回りで起こり得る特定のメディカル・サイエンスについて、分かりやすくご紹介しています。
根拠が明確な情報をお伝えし、巻末には出典へのリンク【参考文献】を明記することも心掛けていますので、みなさまのお役に立てればと思っています。
今回のテーマは、「コロナワクチンの予防効果がどのくらい続くのか?」です。
- 「ワクチンを接種してから、どのくらい予防効果が続くの?」
- 「すぐに効果が薄れるんじゃない?」
- 「接種しても意味ないんじゃない?」
。。。などなど、いろんな不安がありますよね。
今現在、日本ではファイザー製とモデルナ製のコロナワクチンの接種が進んでいます。これらのワクチンは「mRNAワクチン」と呼ばれています。
このmRNAワクチンによる予防効果がどのくらい続くのか?アメリカの複数の大学や研究所が継続的に調査した結果が発表されました。
「mRNAワクチンの接種完了後は、継続的な予防効果があり、少なくとも従来のワクチンよりも予防する有効期間は長い」
(2021年月6月28日、イギリスの科学誌ネイチャーで発表)
あれっ?。。。。それって、以前から報告されていなかったっけ?と聞こえてきそうですね。
さかのぼって以前のニュースやレポートを見ると、これまでの情報はすべて「動物実験」に基づいたものでした。
今回の発表は、実際に人間へのmRNAワクチン接種が開始され、その接種された人達を、複数の大学・研究所で経過観察した研究発表であるため、その信頼度は高いものと考えられています。
実際にどのくらい予防効果が続くの?
発表した研究チームは、米ワシントン大学・マウントサイナイ医科大学・テキサス大学や研究所。調査研究の対象は、ファイザー/ビオンテック社製のmRNAワクチンを接種した健康体の被験者を経過観察したもので、その結果は「mRNAワクチンは、従来のインフルエンザ・ワクチンよりも予防期間が長い」ということが明らかになりました。
つまり、今までの経過観察上では、長期間あるいは数年にわたって免疫力を維持できると期待されます。
具体的に見てみましょう。
私たちのカラダは、ウイルスやワクチンなどの抗原が体内に入ると、胚中心(Germinal Center:GC)という組織が形成されます。
従来のインフルエンザでは、インフルエンザ・ワクチン接種後4~6週間が経過すると、そのGCはほとんど消滅します。
それに対して今回のmRNAワクチンは、1回目の接種から15週間経過してもGCが衰えることなく活発に活動していることが確認されました。
【豆知識①】 インフルエンザのGCは、接種後4~6週間で消滅するため、予防効果の有効期間としては3~5か月です。
また、ウイルスやワクチンなどの抗体が体内に入り、GCの中でその抗体を最初に記憶する免疫細胞が「メモリB細胞」と呼ばれていますが、今回のmRNAワクチンでは、このメモリB細胞も減少していないことが確認されました。
【豆知識②】 メモリB細胞は何十年も生き残ることができ、再び感染した場合には抗体媒介免疫応答を繰り返し生成する免疫細胞です。
上記のことから研究チームの科学者たちは、こうした免疫力が結果的にどこまで持続するかは現時点では断定できないが、新型コロナウイルスが大きな変異を引き起こさない限り、mRNAワクチンを接種した人たちは、長期間あるいは数年にわたって免疫力を維持できると期待しています。
※ワクチン副反応とその対処法はコチラの記事をご確認ください。
集団免疫で新型コロナウイルスに打ち勝って、早く、マスク無しのコロナ前の生活に戻りたいですね!
引き続き、新型コロナウイルス関連情報をご紹介していく予定ですので、ご興味のある方は是非このブログにお立ち寄りください。
ヘルスケア・アドバイザーの前田 義徳(マエダ ヨシノリ)でした。
【参考文献】
https://www.nature.com/articles/s41586-021-03738-2#author-informationhttps://www.nature.com/articles/s41586-021-03738-2_reference.pdf