コロナ重症化を予防するビタミンとは?

ヘルスケア
Vitamin K
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こんにちは。
ヘルスケア・アドバイザーの前田 義徳(マエダ ヨシノリ)です。

今回の記事は、新型コロナ感染による重症化の予防に「ビタミンK」が重要な役割を果たしていることが発見された。というニュースを取り上げます。

有名な学術専門誌British Journal of Nutritionによると、オランダのマーストリヒト(Maastricht)大学、カニシウスウィルヘルミナ(Canisius-Wilhelmina)病院そしてベルギーのルーベン大学学術病院(University Hospitals Leuven)による新しい研究において、ビタミンKが新型コロナ感染の重症化、特に肺障害と血栓塞栓症の予防に重要な役割を果たしていることを発見・検証された。

この発見は、特に現在のデルタ株による死亡および重症化の原因が、肺障害と血栓塞栓症が多くを占めていることからも、臨床現場で非常に有用と考えられています。

デルタ株による感染者の多くは軽度から中程度の症状ですが、かなりの割合で肺炎による呼吸不全を発症します。また、血栓症も新型コロナ感染症の症状の一つであり、予後不良の原因となっています。

この研究によって分かったことは、新型コロナに感染して重症化の原因となる肺障害や血栓塞栓症の予防対策として「ビタミンK」を新型コロナ感染症のサプリメントとして検討できる。というものです。

理由や研究内容は「コラム」で紹介していますが、要するに、不健康な食生活や栄養不足、そして高齢者などが新型コロナに感染すると、肺炎が進むにつれビタミンKが欠乏し始め、健康な状態では伸縮する細胞が伸縮しなくなり、血栓症をも引き起こすことが発見されたからです。

では、食事で補いきれない「ビタミンK」をサプリメントとして準備しよう!となると思いますが、ビタミンKにもいくつかの種類があります。正しくご理解いただくためにも、下の「おススメ」でご紹介いたします。

コラム

(※専門的な用語が含まれています。「専門的な話は不要だなぁ~」という方はこのコラムは読み飛ばし、「おススメ」に進んでください。)

ビタミンKは、緑黄色野菜や納豆などの食品に含まれる脂溶性のビタミンで、栄養補助食品としても販売されています。私たちの身体は、血液凝固に必要なタンパク質や、骨やその他の組織におけるカルシウムの結合を制御するタンパク質の合成後の修飾にビタミンKを必要とします。その完全な合成には、ビタミンKを補酵素として使用するγ(ガンマ)-グルタミルカルボキシラーゼ(Ggcx)という酵素によって、これらのいわゆる「Glaタンパク質」の最終的な修飾が行われます。カルボキシル化されていないタンパク質が存在する場合は、ビタミンKが欠乏していることを意味します。


臨床的には、新生児の頭蓋内出血の予防や、加齢や医薬品等に使われるステロイドによる骨粗鬆症の治療に用いられています。また、疫学研究によりビタミンKの不足が動脈硬化や認知症、悪性腫瘍の危険性を上げる可能性も報告されています。


ビタミンKのKは、「Koagulation」という血液凝固を意味するドイツ語に由来し、肝臓での血液凝固因子の活性化に必要で、ビタミンKとγグルタミルカルボキシラーゼの作用を受ける分子は血液凝固因子以外にも10種類以上知られ、全身に分布し、ビタミンKは上記の疾患やさまざまな生理作用にかかわる多様な働きがあることを推測されています。


つまり、ビタミンKがないと、血液の凝固が著しく阻害され、不正出血が起こるということです。また、ビタミンKが不足すると、骨が弱くなり、骨粗鬆症の原因となったり、動脈やその他の軟部組織の石灰化を促進したりする可能性があることが研究で指摘されています。


分子生物学的には、ビタミンKファミリーは2-メチル-1,4-ナフトキノン(3-)誘導体で構成されていますい。ビタミンKには、ビタミンK1(フィロキノン)とビタミンK2(メナキノン)の2種類の天然ビタミンがあります。一方、ビタミンK2は、イソプレノイド原子群からなる炭素側鎖の長さが異なる、いくつかの関連する化学的サブタイプから構成されています。最も研究されているのは、メナキノン-4(MK-4)とメナキノン-7(MK-7)です。

ビタミンK1は植物で作られ、光合成に直接関与しているため、緑の葉野菜に最も多く含まれています。また、動物の体内ではビタミン 動物ではビタミンKとして活性化し、血液凝固タンパク質の生成に関与するなど、ビタミンKの典型的な機能を果たしています。動物はこれをビタミンK2、変種MK-4に変換することもあります。腸内細菌もK1をMK-4に変換することができます。MK-4以外のビタミンK2は、バクテリアが嫌気性呼吸の際に使用することで生成されます。
(※ビタミンKの合成型であるビタミンK3(メナジオン)は、ビタミンK欠乏症の治療に使用されていましたが、グルタチオンの働きを阻害するため、現在では人間の栄養学では使用されていません。)


ビタミンKが、肝臓における血液凝固促進因子と血液凝固抑制因子の両方の活性化に重要な役割を果たしていることや、局所的な血栓症の予防に重要と思われる肝臓外で合成されるプロテインSの活性化に重要な役割を果たしていることは既に知られています。

しかし、多くの人に知られていないことですが、ビタミンKの役割は凝固だけではありません。

ビタミンKは、その唯一の機能がγ-カルボキシル化の促進であることがよく知られており、生化学的には単機能の栄養素です。しかし、ビタミンKは、相反する機能を持つタンパク質を活性化するため、多面的な機能を持つ栄養素であると考えられています。
 
ビタミンKは、グルタミン酸をγ-カルボキシグルタミン(Gla)残基に変換するカルボキシル化反応を触媒し、肝臓の血液凝固促進因子II(プロトロンビン)、VII、IX、Xを活性化することでよく知られています。しかし、ビタミンKは、血液凝固に関与していない多くの肝臓外のタンパク質や、抗凝固タンパク質C、Sも活性化します。
 
重要なことは、マトリックスGlaタンパク質(MGP)は、軟部組織の石灰化と弾性繊維の分解をビタミンK依存的に抑制するということです。
 
ビタミンK依存性マトリックスGlaタンパク質(MGP)は、血管の石灰化を抑制するタンパク質として広く研究されていますが、肺区画での役割はそれに匹敵するものではありません。MGPは軟部組織の石灰化を防ぐだけでなく、弾性繊維の劣化も防ぎます。このことは、MGPノックアウトマウスで実証されています。MGPノックアウトマウスでは、重度の石灰化と弾性線維の断片化が生じていました。
 
弾性繊維は、動的組織の細胞外マトリックスの重要な構成要素である。弾性線維は、肺や動脈に変形性を与え、呼吸や循環を促進する重要な成分である。弾性線維の初期発生は、ほとんどが周産期に限られている。しかし、弾性繊維の分解と修復は連続的なプロセスである。この2つのバランスは繊細で、心血管と肺の健康にとって極めて重要である。タンパク質分解による弾性繊維の分解率は、加齢とともに増加する。慢性閉塞性肺疾患や特発性肺線維症などの特定の肺疾患では、この加齢に伴う弾性繊維分解の促進が顕著である。
 
新型コロナ感染による患者では、重度の肝外ビタミンK不全が認められ、不活性MGPの高値と弾性線維の分解率が相関しています。
 
これらの知見は、ビタミンKによるMGPの活性化が不十分なため、SARS-CoV-2によるタンパク質分解に対して弾性線維が無防備になっていることを示唆している。MGPとは対照的に、COVID-19患者の活性化第II因子のレベルは正常であり、これは、ビタミンKが優先的に肝臓に運ばれて血液凝固促進因子を活性化するというこれまでの観察結果と一致する。
 
また、ビタミンK依存性の内皮プロテインSの活性化も損なわれており、これは血栓性の亢進につながるものと考えられています。
 
これらのデータを総合して、研究チームは、肺炎によるビタミンKの枯渇が、活性化されたMGPとプロテインSの減少をもたらし、肺障害と凝固障害をそれぞれ悪化させるというメカニズムを提案しています。
 
本研究チームは、補助食品としてのビタミンKの投与が、重度のコロナ感染の予防および治療に役割を果たすかどうかを評価するために、介入試験を実施すべきであると提案しています。

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おススメ

【重要1】
サプリメントは「食品」であり、「医薬品」でありません。先にご紹介した新型コロナ感染による肺障害や血栓塞栓症を治癒するものではありません。
【重要2】
血栓の治療や予防薬(例えば、ワーファリンなど)を服用している方は、ビタミンKの服用は控えてください。
【重要3】
病気や薬の中にはサプリメントと相性の悪いものもあります。現在、治療中の病気がある方や薬を服用されている方は、サプリメントを飲む前に必ず医師、薬剤師、登録販売者などの専門家に相談するようにしてください。

「サプリメントのビタミンKって、みんな同じじゃないのー?」と聞こえてきそうですが、ビタミンKには2種類あります。

・植物でつくられるビタミンK1(フィロキノン)
・細菌や動物体でつくられるビタミンK2(メナキノン)

一般的に、納豆などを除くと、人が食べ物から得ているビタミンKはフィロキノンが多いのですが、栄養上特に重要なのは、動物食品に広く分布している「メナキノン-4」と、納豆に含まれる「メナキノン-7」です。

・フィロキノン(ビタミンK1)
ほうれん草、ブロッコリー、キャベツ、トマト、海藻類などに含まれます。

・ナノキン-4(ビタミンK2)
主に微生物がつくり、チーズなど動物性食品に含まれます。

・ナノキン-7(ビタミンK2)
納豆に含まれます。メナキノンの中でも骨粗しょう症への期待も高まっています。

今回、選ぶポイントは次の通りです。

・サプリメント商品の成分表に「ビタミンK」としか書いてないものは、何が入っているのか不明のため避ける。

・特に重要なのは「ビタミンK2」の「メナキノン-4」と「メナキノン-7」であること。

・ビタミンK-2と書いてあっても「メナキノン-4」だけのものがある

・ビタミンK-2と書いてあっても「メナキノン-7」だけのものがある

・ベジタリアンやヴィーガンの方にもおススメな商品であること

・グルテン不使用

・遺伝子組み換えでない材料を使用していること

・GMP品質保証があること

ネットで上記の視点で選んだおススメできる商品は、次の通りです。

おススメ①

オススメポイントは、
・メナキノン(MK)-4、MK-6、MK-7、MK-9のフルスペックで構成されていること
・MK-7は、MenaQ7を使用していること
(※)MenaQ7は「ひよこ豆」を自然発酵したもので、体内吸収性が長時間持続します。

おススメ②

おススメポイントは、
・メナキノン(MK)-4とMK-7で構成されていること

以上が「ビタミンK」サプリメントのおススメ①、②ですが、ビタミンKと同様にコロナ感染によって欠乏する「ビタミンD」の同時活用もおススメいたします。

【参考文献】
・ 学術専門誌British Journal of Nutrition
・ビタミンK欠乏による心血管疾患メタアナリシスThe American Journal of CLINICAL NUTRITION
・ 日本薬学会「ビタミンKと骨
弾性線繊形成の概要
Glaドメイン構造と凝固因子

【ご注意】

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この記事を書いた人
YOSHINORI MAEDA

研究者/アドバイザー

2020年、スタンフォード大学医学部COVID-19&免疫学コース等を修了。新型コロナウイルスについてエビデンスを元に「知りたい情報をわかりやすく」情報発信するブログを開設。
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