BA5の初期症状から後遺症そして感染者数を予測
【重要】アップデート 2022年9月1日、「新型コロナウイルス感染症による宿泊施設・自宅療養者に係る療養証明書の取扱い等について」が発表されました。原文:一般社団法人生命保険協会 この発表内容に伴い、本ブログ内に記載しておりました内容(記載内容は2022年7月1日時点)も次のようにアップデートいたしますのでご注意ください。 【改訂文】 コロナ給付金等を保険会社に請求いただく際の必要書類として、現状は療養証明書をご利用いただけますが、令和4年9月2日以降、お住まいの都道府県によっては「My HER-SYSで療養証明を取得できなくなります」。 その対応策として、My HER-SYS画面での療養証明書以外に新型コロナウイルスに罹患したことが確認できる代替書類の活用等を保険会社に周知されました。(上記、原文参照) つきましては、引き続きMy HER-SYSの療養証明書が必要なのか?あるいは、代替書類としてどのような書類が必要なのか?ご契約されている保険会社にお問い合わせいただきますようお願いいたします。 【重要なポイント】 本アップデートは、執筆時2022年9月3日時点での記載となりますので、保険各社の更なる取り扱いが変更され、もしくは収束される可能性があります。 そこで、注意しておきたいポイントは、上記の療養証明書の他に次の3つがあります。 ✓「みなし入院」の定義 ✓コロナ陽性診断が、9月25日以前か?9月26日以降か? ✓保険商品の約款で定める疾病 ・「みなし入院」の定義 「入院」とはあくまでも「医師または保健所等の管理下において療養している」ということが前提になる場合が多いので、その管理下にあったとする上記の必要書類が必要です。紛失しないよう気を付けたい。 ・コロナ陽性診断が、9月25日以前か?9月26日以降か? 法令の改正等による変更の可能性があります。各保険会社の9月25日以前か26日以降かについての情報に注意して欲しい。 ・保険商品の約款で定める疾病 新型コロナウイルス感染症は、保険会社の商品の約款で定める「疾病」に該当する場合があります。 そのため、新型コロナウイルス感染症以外の原因を含め、治療を目的とした入院に対して入院給付金の支払い、死亡保険金の支払い、就業不能給付金(※)の支払いなどがあります。 (※注意) 就業不能保険は、休業補償や失業保険とは異なります。 勤務先の指示による自宅待機や休業等は、保険会社所定の就業不能状態に当てはまらないため、給付金のお支払い対象外となるので注意してください。 これらのポイントを忘れずに、各保険会社から案内される情報を確認することが重要です。
昨日(2022年6月30日)、世界保健機関(WHO)より、新型コロナウイルスによる感染者数が先週より18%増加し、世界全体で410万を超える症例があることが報告されました。
WHOによると、最大の増加は中東で47%の増加。ヨーロッパと東南アジアで32%増。南北アメリカで14%増となっており、110カ国で増加しています。
その主な原因は、オミクロン株の亜種であるBA.4およびBA.5によるものと報告されています。
では、現在BA2が主流で、1日の新規感染者数が1万5千~2万人で推移している日本でも、これから感染者数が増えるのだろうか?
このブログ記事では、BA5の特徴や各国のデータから感染者数および死亡者数を予測し、更に、各国で報告されているBA5による初期症状や後遺症についてまとめています。
先に、今回の記事の結論を述べると、次の通りです。
【感染者数は日本でも増えるのか?】 ・第6波の感染者数を大きく超える波が予測される ・感染者数は、2022年8月9日(火)に 503,838人/日がピーク ・死亡者数は、2022年8月25日(木)に173人/日がピーク 【BA5による初期症状の特徴は?】 ・症状の三大特徴は、① 40℃近くの高熱、② 咳・のどの痛み、③ 倦怠感(首痛・肩痛) ・風邪やインフルエンザによる症状との違いは、これらの三大症状が”同時”に発症する ・発症期間・経過は、3日程度 【BA5による重症化の特徴は?】 ・重症化率は、第6波と同率 ・重症者は、高齢者、基礎疾患、肥満に多くみられる 【特筆すべきポイントは?】 ・ハイブリッド免疫 ・5人に1人の割合に起こる長期後遺症(Long COVID) 【個人でできる対処法は?】 ・市販薬 ・ツバを飲み込むことさえツライ「ノドの痛み」への対処
BA.5は日本でいつ感染増加しはじめるのか?
欧州CDCおよび厚生労働省のデータを見ると、次のことがわかります。
① BA.4は1月、BA.5は2月にそれぞれ南アフリカで発見され、同国で4月~5月にまん延
② BA.4およびBA.5は、3月に欧州でも確認され、5月~6月にまん延
③ 日本では、BA.4が5月20日に、BA.5が5月21日に、それぞれ欧州からの入国者で確認されている
これらの各国の状況から、BA.5の確認後1.5カ月~2カ月後に感染増が始まると推測でき、日本では7月上旬には感染者が増加し始めるものと考えられます。
では、具体的にいつから始まり、ピークアウトはいつなのかをAIを使って予測してみます。
新規感染者数および死亡者数の予測
経済・観光など日本と密接な国々で急増している主な国(アメリカ、イギリス、フランス、スペイン、ポルトガル、ドイツ、デンマーク、台湾、韓国、シンガポール、オーストラリア、ニュージーランド)での新型コロナウイルス感染者数の推移から、AIを使って日本における新規感染者数の推移を予測しています。
各国のBA.4およびBA.5の感染率および国内の年代別人口比率および感染対策(マスク使用率やワクチン接種率)などから、感染者数の推移は次の予測となります。
- 【感染者数のピーク】2022年8月9日(火)、 503,838人/日
- 【死亡者数のピーク】2022年8月25日(木)、173人/日
※ご注意ください。
新規感染者数は感染率・ワクチン接種率などの各種インデックスの数値からAI予測された数値です。実際には無症状者や軽微な症状でも検査を受けない感染者もいますので、報道等ではこの予測値の半数程度が発表されるものと予測されます。
本予測値は、あくまでも感染拡大の可能性がありうる数値として、予防対策の観点から見ていただければ幸いです。
日付 | 感染者数(予測) | 死亡者数(予測) |
7月9日 | 49,965 | 51 |
7月16日 | 101,784 | 61 |
7月23日 | 246,682 | 67 |
7月30日 | 396,618 | 79 |
8月6日 | 503,599 | 93 |
8月13日 | 493,123 | 113 |
8月20日 | 445,096 | 158 |
8月27日 | 370,012 | 166 |
9月3日 | 283,199 | 132 |
9月10日 | 244,373 | 100 |
9月17日 | 176,439 | 84 |
図1: 2022年7月1日~2022年9月30日までの感染者数(予測値)
図2: 2022年7月1日~2022年9月30日までの死亡者数(予測値)
BA.5の特徴は?
BA.5の大きな特徴は、BA.1およびBA.2に似ていますが、ウイルスたんぱく質の「L452R」と「F486V」と呼ばれる独自の変異を持っていることです。
これは、要するに、私たちがワクチン接種や従来株に感染することによって得た免疫応答を回避する可能性が高いことを示唆しています。
つまり、BA.5は、BA.5自身が生き延びるために、人間が持ち得た免疫を回避するように進化したバージョンと言えます。そのため、感染力が高かったBA.1、BA.2よりも「1.3倍高い」「35.1%速く広がる」という報告からも、「感染しやすい株」と考えられます。
BA.5による初期症状は?
BA.5は第6波で流行したBA.2による症状とほぼ同じであるが、特徴としては次の3つが挙げられます。
① 40℃近い高熱
② 咳・ノドの痛み
③ 倦怠感
発熱も40℃近く出る場合が多く、ノドの痛みも「ツバを飲み込めない」痛さ、そして、倦怠感においては「首や肩・背中の痛み」も報告されています。
日本国内では夏風邪、そしてオーストラリアでのインフルエンザの流行などから、風邪・インフルエンザ・BA.5の症状についてまとめました。
症状 | 風邪 | インフルエンザ | BA.5 |
熱 | まれに | 40℃近くまで (3~4日続く) | 40℃近くまで (2~3日続く) |
頭痛 | まれに | まれに | まれに |
倦怠感 | あまりない | 一般的 | 強いダルさ 首・肩痛も加わる |
くしゃみ・鼻水 | 一般的 | 時々 | まれに |
ノドの痛み | 一般的 | 一般的 | 重い |
咳 | 軽度から中等 | 中程度 | 中程度 |
呼吸困難 | まれに | まれに | 時々 |
嘔吐・下痢 | 一般的 | 時々 | 時々 |
症状の見分け方については、こちらのブログ「風邪かコロナか見分けるポイント」もご参照ください。
つらいノドの痛みについては、こちらのブログ「ノドの痛みをなんとかしたい」もご参照ください。
BA.5による重症化の特徴は?
アドバイザーボード等の資料からまとめると、BA.5における重症化率および致死率は次の通りとなります。
重症化率 | 重症化率 | 致死率 | 致死率 | |
60歳未満 | 60歳以上 | 60歳未満 | 60歳以上 | |
デルタ株 | 0.56% | 5.0% | 0.08% | 2.5% |
BA.1-BA.2 | 0.03% | 2.49% | 0.01% | 1.99% |
BA.5 | 0.03% | 2.49% | 0.01% | 1.99% |
インフルエンザ | 0.03% | 0.79% | 0.01% | 0.55% |
重症化率および致死率ともに、BA.5も第6波時のBA.1およびBA.2と同率であり、60歳未満においてはインフルエンザと同率であることがわかります。
米国CDCおよび欧州ECDCのレポートから、その重症者も従来のCOVID-19と同じく高齢者・基礎疾患者そして肥満の方に多くみられます。
特筆すべきポイント
各国の対応「ハイブリッド免疫の獲得」
欧米およびオーストラリア等の多くは、既に新型コロナとの共存に転換し、マスク不着用およびPCR検査の撤廃化が進んでいます。そのため、特にインド保健福祉局によると、ワクチン接種に加えコロナに感染し両方の免疫力を獲得することにより強い免疫「ハイブリッド免疫」を獲得することによって感染者数が激減している例もあります。
長期後遺症(Long COVID)
一方、米国CDCの大規模な新しい研究によると、18歳~64歳の感染経験者の5人に1人、そして65歳以上の感染経験者の4分の1に「長期後遺症」が発症していることが明らかになっています。
明らかになった主な後遺症をまとめると、次の通りとなります。
脳の霧 |
倦怠感 |
咳 |
胸痛 |
筋肉痛 |
胃腸の問題 |
うつ病 |
呼吸困難(呼吸努力が必要) |
また、科学誌ネイチャーに掲載された最新の研究によると、ワクチン接種によって、これらの長期後遺症のリスクを15%減らすことができると示唆されています。
【提言】 ここまで、欧米諸国の公的機関および科学誌から見てきて、7月上旬以降、日本国内での感染者数は拡大するものと考えられ、従来の医療体制では再び病院および保健所のひっ迫が想像できます。 また、コロナの変異も進化しており、従来のCOVID-19(武漢型~デルタ株)とは大きく異なっており、症状や重症化率も大きく異なっています。 そのため、WHOのルールを変更できないのであれば、従来のCOVID-19は今まで通り2類として扱い、日本だけ現在のオミクロン株によるものをCOVID-19-Omicron Variant of Concern(COVID-19-OVOC)と命名し「5類」として取り扱い、すぐにでも通常医療にシフトすべき時期だと考えます。
個人レベルでのコロナ対策準備
陽性になった場合、お住まいの保健所と共有できる健康管理機能「My HER-SYS(マイハーシス)があります。お一人でお住まいの方、ご自身やご家族の健康状態を保健所と管理でき、迅速そして適切なフォローがされますので、登録がおススメです。
ただし、入力方法が少し難しいと感じられます。
順を追って登録および入力できるよう、手順をコチラからダウンロードできるよう用意していますのでご参考ください。
【注意】マイハーシスの療養証明書 生命保険会社への保険金請求に利用できる「療養証明書」を、4月27日からマイハーシスで取得できるようになっています。 ここでご注意。 マイハーシスの療養証明書の有効期間は「10日間」の場合だけとなりますので、ご注意ください。 症状が軽快せず、11日以上療養した場合は、お住まいの管轄保健所発行の療養証明書が必要になりますので、保健所にお問い合わせください。 なお、保健所発行の証明書には療養日数が記載されませんので、日数が必要な場合には保健所にお伝えください。 また、一般的に保健所が療養証明書を発行する場合、申請から発行まで1カ月半から2カ月ほどかかりますのでご注意ください。 ●厚生労働省からの通知 ●MyHER-SYSから療養証明書を表示する方法
そしてもう一つは、急な発熱や痛みがあるのにスグに病院に行けないなどの時に、市販薬を用意しておくことをおススメします。
おススメは、即効性のある解熱鎮痛剤と熱吸収です。
幼児や小児に対しても服用できる「アセトアミノフェン」通称「カロナール」がおススメです。(ロキソプロフェンは、15歳未満の服用は認められておらず、胃腸障害などの副作用に注意する必要があるためです)
コロナ第7波が来ることが予測される中、重症化を防ぐために世界各国でも次の対策が挙げられています。
- ワクチン接種済でも感染する可能性がある(ブレイクスルー感染)
- ワクチン接種ができない方、11歳以下の子供達への対策
コロナ対策としては従来通りの、マスク、手洗い・消毒、ソーシャルディスタンスが基本となります。
また、高齢者やワクチンを接種できない子供達には、栄養補給や健康管理の強化の面から、ご家庭でも簡単に作れるものも以下のブログで紹介していますので、ご参考ください。
① 離乳食や腸活としても人気の「あのヨーグルト」に、新型コロナウイルス患者の主な死因の一つである免疫応答「サイトカインストーム」を排除する抗炎症特性があることを発見
② あのビタミンが新型コロナウイルス感染の重症化、特に肺障害と血栓塞栓症の予防に重要な役割を果たしていることを発見・検証される
③ ウイルスを寄せ付けない⁈ 子供にも大人にも安心な食品で作る点鼻薬
【参考文献】
統計局ホームページ/人口推計(令和3年(2021年)4月平成27年国勢調査を基準とする推計値,令和3年(2021年)9月概算値) (2021年9月21日公表) (stat.go.jp)
2021年の出生数・死亡数の見通しー新型コロナの影響は限定的だが、一部に見過ごせない動きも日本総研 (jri.co.jp)
ワクチン接種者数およびグローバルデータ
Our World in Data: Coronavirus (COVID-19)
英国Office for National Statistics
As omicron spreads, Europe scrambles to shore up health care
【参考データ】
■日本総人口:12,541万人
2021年総死亡者数:144万人(11.9万人/月)
生存総人口12,541万人-144万人=12,397万人
■グローバルデータは、Our World in Dataを参照